
渡航前に入る海外保険(ワーホリ・留学)
ワーキングホリデー(IEC)で渡航するなら、海外保険は「入っておくと安心」ではなく「入っていないと入国できないことがある」入国要件です。しかも保険の期間が滞在予定より短いと、もらえる就労許可そのものが短くなります。渡航前に必ず、条件を満たす保険を滞在全期間分そろえておきましょう。この記事では、IECの保険要件と、日本とカナダの保険の選び方、クレジットカード付帯保険の限界までを整理します。
保険はIEC(ワーホリ)の入国要件
IRCC(カナダ移民局)は、IEC参加者に「カナダ滞在の全期間をカバーする健康保険」を義務づけています。カバーすべき内容は次の3つです。
- 医療(medical care)
- 入院(hospitalization)
- 本国送還(repatriation。重病・死亡時に日本へ搬送する費用)
入国審査(空港)で保険の証明書の提示を求められることがあり、保険がないと入国を拒否されることもあります。証明書は英文のものを印刷して機内持ち込みにしておくと安心です。
期間が足りないと、滞在そのものが短くなる
ここがいちばんの落とし穴です。保険の有効期間が滞在予定より短い場合、就労許可(ワークパーミット)が保険の切れる日までしか発行されないことがあります。たとえば1年のワーホリなのに6か月分の保険しか用意していないと、許可も6か月になり、あとから延長は申請できません。「とりあえず数か月分だけ入って、現地で延長すればいい」は通用しないと考えて、最初から滞在全期間分を用意しましょう。購入は、招待状(POEレター)を受け取ってからにするのが公式の推奨です。
日本の保険とカナダの保険、どちらで入るか
特定の商品をおすすめすることはできませんが、選び方の軸は次のとおりです。
- 日本の海外旅行保険・留学保険: 日本語サポートと、提携病院での「キャッシュレス診療(立て替え不要)」が強み。出国前にしか入れないものが多いので、渡航が決まったら早めに検討
- カナダ・海外の保険会社: 英語での契約になりますが、保険料が抑えめのことが多く、オンラインで購入・延長できるものもあります。IEC向けをうたうプランなら要件(医療・入院・本国送還)を満たしているか確認しやすい
- どちらの場合も、「滞在全期間」「医療・入院・本国送還の3点」「英文の証明書が出るか」の3つを必ず確認。値段だけで選ばず、治療費の上限額と、日本語(または英語)で請求手続きできるかも見ておきましょう
クレジットカード付帯保険だけでは足りない
「クレカに海外旅行保険が付いているから大丈夫」は、ワーホリでは通用しません。
- 有効期間が短い: カード付帯保険は一般に出国から90日程度まで。1年の滞在はカバーできず、「全期間」の要件を満たしません
- 補償額が低め: カナダの入院・手術は高額で、付帯保険の上限では足りないことがあります
- 利用条件がある: 旅費をそのカードで払った場合のみ有効(利用付帯)などの条件も多い
- 本国送還までカバーする付帯保険は限られます
短期の旅行なら有効な選択肢ですが、ワーホリの入国要件を満たす主役にはなれません。あくまで補助と考えましょう。
留学生・学生ビザの人はどうする?
留学生にはIECのような入国時の保険義務はありませんが、実際には保険なしで過ごせる場面はほぼありません。
- 州の公的保険に入れない期間・身分(オンタリオの留学生、BCの待機期間中など)は民間保険が事実上必須です(詳しくは「州別の医療保険」の記事へ)
- 学校(語学学校・カレッジ・大学)が保険加入を入学条件にしていることが多く、学費と一緒に指定プランへ自動加入になる場合もあります。二重加入にならないよう、学校の保険の有無を先に確認しましょう
渡航前チェックリスト
- 保険期間は滞在予定の全期間をカバーしているか
- 医療・入院・本国送還の3点が含まれているか
- 英文の保険証明書を印刷して手荷物に入れたか
- 治療費の上限額と免責(自己負担)額を把握したか
- 現地での請求方法・緊急連絡先を控えたか
- (留学生)学校指定の保険と重複していないか
進め方の流れ
- IECの招待状(POEレター)を受け取る
- 滞在全期間・3要件を満たす保険を比較して加入
- 英文証明書を印刷して機内持ち込みに
- 入国審査で求められたら提示(許可の期間が保険と一致しているかその場で確認)
- 到着後、州の公的保険に入れる条件が整ったら申請。IECの保険は滞在中維持
注: 保険要件の文言や運用は変わることがあります。渡航前に必ず IRCC 公式(IEC 到着準備 https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/work-canada/iec/prepare-arrival.html )で最新を確認してください。州の公的保険については「州別の医療保険」の記事もあわせてどうぞ。
よくある質問
ワーホリ(IEC)で海外保険は必須?
必須です。IRCCは滞在全期間をカバーし、医療・入院・本国送還の3点を含む健康保険を入国要件にしています。入国審査で証明を求められることがあり、保険がないと入国を拒否されることもあります。
保険の期間が滞在予定より短いとどうなる?
就労許可(ワークパーミット)が保険の切れる日までしか発行されないことがあり、あとから延長は申請できません。1年滞在するなら、最初から1年分の保険を用意しましょう。
クレジットカード付帯保険だけで大丈夫?
大丈夫ではありません。カード付帯保険は一般に出国から90日程度までで「滞在全期間」の要件を満たせず、補償額も低めで本国送還までカバーするものは限られます。短期旅行以外では補助と考えましょう。
