本文へスキップ
トロント
州別の医療保険(MSP・OHIP・AHCIP・RAMQ)

州別の医療保険(MSP・OHIP・AHCIP・RAMQ)

カナダの医療は「州ごとの公的保険」で成り立っています。国の統一保険ではなく、BC州はMSP、オンタリオ州はOHIP、アルバータ州はAHCIP、ケベック州はRAMQと、州ごとに名前も加入条件も違います。そしてワーホリ・留学生が見落としがちなのが「入れるまでの空白期間」。保険なしで病院にかかると数百〜数千ドル規模の請求になり得るので、自分の州のルールと空白の埋め方をセットで押さえておきましょう。

しくみ: 州が変われば保険も変わる

公的保険は「その州の住民」を対象にした制度です。加入できる条件(ビザの種類・許可証の残り期間・就労状況)も、加入してから有効になるまでの待機期間も州ごとに違います。州をまたいで引っ越したら、新しい州で入り直しです。以下、主要な州を並べて見ていきます。

BC州: MSP(Medical Services Plan)

  • 対象: ワーキングホリデーを含む就労許可が6か月以上あれば、加入対象(deemed resident)になり得ます
  • 待機期間: 「到着した月の残り+2か月」。たとえば7月15日に到着したら、カバー開始は10月1日
  • 州も公式に「待機期間中は民間保険に入るように」と案内しています。この空白を渡航前の保険で埋めるのが定石です
  • 加入は無料(保険料は2020年に廃止済み)。申し込みはオンラインでできます

オンタリオ州: OHIP

  • かつての3か月待機期間は廃止され、加入できれば即日カバーされます
  • ただしワーホリ(就労許可)の場合の条件が独特で、「オンタリオ州の雇用主のもとでフルタイムで働いていて、就労許可または雇用主のレターで6か月以上働く見込みを示せること」が必要です(6か月働いた後ではなく、その職に就いてコミットメントを示せた時点で申請できます)。つまり、着いてすぐ・仕事が決まるまでの間はOHIPに入れません
  • フルタイムの職が決まるまでは民間保険が事実上必須。留学生も原則OHIP対象外で、学校経由の保険プランに入るのが一般的です

アルバータ州: AHCIP

  • 対象: 就労許可の残り期間が6か月以上あり、アルバータに12か月以上住む意思があること(許可証はアルバータの雇用主指定か、オープンパーミット)
  • 待機期間はなく、居住開始日(または入国書類の発効日の遅い方)からカバーされます
  • 「12か月以上住む意思」が条件なので、滞在が短い人や州を移る予定の人は対象外になり得ます。判断に迷ったら公式に確認を

ケベック州: RAMQ

  • 対象: 6か月を超える就労許可を持ち、ケベックに居住していること
  • 待機期間: 登録から最長3か月。フランスなど社会保障協定のある国の出身者は免除されますが、日本はこの免除の対象ではないため、日本人は原則待機期間があります
  • 待機期間中の医療費は自己負担。ここも民間保険で埋めます

空白期間をどう埋めるか

  • ワーホリ(IEC)は、そもそも「滞在全期間をカバーする保険」が入国の条件です(詳しくは「渡航前に入る海外保険」の記事へ)。この保険が公的保険の空白期間もカバーしてくれます
  • 公的保険に入れたあとも、IECの保険は解約せず持ち続けるのが安全です。途中解約すると就労許可の条件を満たさなくなるおそれがあります
  • 留学生は州によって扱いが違い(BCは待機後に加入可、オンタリオは学校のプラン等)、学校指定の保険がある場合はそちらが軸になります

具合が悪くなったら: どこに行く?

  • ウォークインクリニック(walk-in clinic): 予約なしで診てもらえる街のクリニック。発熱・軽いけがなど日常の不調はまずここ。公的保険があれば無料、なければ実費(保険の書類を持参)
  • ER(救急外来): 命に関わる症状(激しい胸痛・呼吸困難・大けがなど)のためのもの。軽症で行くと何時間も待ったうえ、保険なしだと高額請求になります
  • 811: ほとんどの州で、811に電話すると看護師に24時間無料で健康相談できます(行くべきか迷ったらまず電話)
  • 薬局の薬剤師: 軽い症状の相談や市販薬選びは薬剤師に聞けます。州によっては一部の処方も可能

処方薬は公的保険の対象外

州の公的保険がカバーするのは基本的に「医師の診察と病院での治療」で、外来の処方薬・歯科・眼科は対象外です。処方薬は自費か民間保険でカバーします(職場の福利厚生プランがあることも)。ケベック州だけは例外的に薬剤保険への加入が全員に義務づけられており、民間プランがない人はRAMQの公的薬剤保険に入ります。

進め方の流れ

  1. 渡航前に、滞在全期間の民間保険に入る(ワーホリは入国要件)
  2. 到着したら、自分の州の公的保険の加入条件と待機期間を確認
  3. 条件を満たしたらすぐ申請(BCは到着直後に申請して待機期間を消化するのが得)
  4. 保険証(health card)が届いたら、クリニックで提示できるよう携帯
  5. 州を移ったら新しい州で入り直し

注: 加入条件・待機期間は変わることがあります。必ず各州の公式で最新を確認してください。BC州 MSP https://www2.gov.bc.ca/gov/content/health/health-drug-coverage/msp /オンタリオ州 OHIP https://www.ontario.ca/page/apply-ohip-and-get-health-card /アルバータ州 AHCIP https://www.alberta.ca/ahcip /ケベック州 RAMQ https://www.ramq.gouv.qc.ca/en が公式です。

よくある質問

BC州のMSPはすぐ使える?

すぐには使えません。カバー開始は「到着した月の残り+2か月」の待機期間の後です(例: 7月15日到着なら10月1日から)。州も公式に、待機期間中は民間保険に入るよう案内しています。

ワーホリでもオンタリオ州のOHIPに入れる?

条件を満たせば入れます。オンタリオ州の雇用主のもとでフルタイムで働いていて、6か月以上働く見込み(就労許可か雇用主のレター)を示せることが必要です。6か月の経過を待つ必要はなく、加入できれば待機期間なしで即日カバーされます。仕事が決まるまでの間は民間保険が事実上必須です。

保険なしで病院に行くとどうなる?

全額自己負担で、ERでは数百〜数千ドル規模の請求になり得ます。軽い不調はウォークインクリニック、緊急時のみER、迷ったら811(無料の看護師電話相談)が使い分けの基本です。